送風機・圧縮機とは?
気体にエネルギー与えて、圧力を上昇させたり、気体を圧送する機械であり、圧縮の程度によって、ファン(大気圧の1.1倍まで圧縮)、ブロワ(大気圧の2倍まで圧縮)、圧縮機(大気圧の2倍以上に圧縮)に分類されます。フアン、ブロワを合わせて送風機と呼びますが、本質的な差異はないので、ここでは全部含めて圧縮機として扱います。圧縮機は形式としては、ピストンで容積を変えて気体の圧力を上昇させる容積形もありますが、以下では気体の速度を利用するターボ形について説明します。
ポンプを人間の心臓に喩えれば、圧縮機は肺にあたり、空気を吸い、燃焼し終わったガスを吐き出します。吐き出す息は食べ物を吹いて冷やしたり、シャボン玉を膨らませたり、風船を浮かしたり移動させることができます。また息で吹き矢を飛ばしたり、ストローで水やジュースを吸い込むこともできます。
ポンプを人間の心臓に喩えれば、圧縮機は肺にあたり、空気を吸い、燃焼し終わったガスを吐き出します。吐き出す息は食べ物を吹いて冷やしたり、シャボン玉を膨らませたり、風船を浮かしたり移動させることができます。また息で吹き矢を飛ばしたり、ストローで水やジュースを吸い込むこともできます。
気体を圧縮すると、何が起こるの?
気体は圧縮すると自転車の空気入れのように温度が上がる特徴を持っております。気体を圧縮する場合、圧力比(圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比)は、吸入条件(温度、圧力)はもちろんのこと、気体の分子量、比熱比、ロータ(羽根車)の外周速度(ロータが地面を転がる速度と考えてもよい)に依存します。この他に連続流を取り扱うターボ式では、少なからず気体の音速の影響を受けます。
圧縮機は、空気はもちろんこと、分子が軽いヘリウムから水素、酸素、蒸気、天然ガス、炭酸ガスや分子の重い代替フロンR134aなどの 各種気体を取り扱います。気体の音速は、表1に示しますように、軽い気体では速く、重い気体では遅くなります。したがって、空気中の音速は表2に示しますように、温度が低くなると著しく遅くなります。
圧縮機は、空気はもちろんこと、分子が軽いヘリウムから水素、酸素、蒸気、天然ガス、炭酸ガスや分子の重い代替フロンR134aなどの 各種気体を取り扱います。気体の音速は、表1に示しますように、軽い気体では速く、重い気体では遅くなります。したがって、空気中の音速は表2に示しますように、温度が低くなると著しく遅くなります。
表1 各種気体の音速
表2 空気の音速
現在旅客機は高度1万mの大気(-50℃)中を音の速度の0.85倍の巡航速度で飛んでいます。仮に大気温度が-180℃になったとしますと、音速は約2/3に下がりますので、この状態で飛行速度が同じであれば、旅客機は音の速度の0.85×3/2=1.3倍で飛ぶ超音速機になります(図1)。したがって旅客機は図2に示すような衝撃波を発生し、抵抗が増え、騒音も大きくなるでしょう。逆に大気の温度が上がれば、空気力学的には楽になります。
またリニア新幹線で考えている時速500km(秒速138m)で列車が代替フロンR134aの大気の中で走ったとしますと、音速が秒速154mで音速の0.9で走る遷音速の列車となり(図1)、抵抗が増え、騒音が問題になりましょう。
これらの話は架空の話ですが、上の条件を満たすような風洞をつくり、模型を入れれば地球上でも実現が可能です。
上に述べました旅客機や新幹線の列車の流れと同じようなことが、圧縮機の内部にある翼形状の羽根で起きています 。こちらの流れは内部流れと呼ばれ、壁の影響や他の羽根の影響を受けると共に、回転場の影響を強く受けます。しかも旅客機より速い流れになる場合も多いので、流れが複雑になり、流体損失を減らすために、様々な工夫が取られています。
またリニア新幹線で考えている時速500km(秒速138m)で列車が代替フロンR134aの大気の中で走ったとしますと、音速が秒速154mで音速の0.9で走る遷音速の列車となり(図1)、抵抗が増え、騒音が問題になりましょう。
これらの話は架空の話ですが、上の条件を満たすような風洞をつくり、模型を入れれば地球上でも実現が可能です。
上に述べました旅客機や新幹線の列車の流れと同じようなことが、圧縮機の内部にある翼形状の羽根で起きています 。こちらの流れは内部流れと呼ばれ、壁の影響や他の羽根の影響を受けると共に、回転場の影響を強く受けます。しかも旅客機より速い流れになる場合も多いので、流れが複雑になり、流体損失を減らすために、様々な工夫が取られています。
図1 超音速旅客機,遷音速列車に変化
(今と同じ速度、形を仮定)
(今と同じ速度、形を仮定)
図2 衝撃波の発生
圧縮機の特異現象
圧縮機に発生する特異現象にサージングがあります。これは圧縮機と配管からなる系を流れる気体全体が、流れの方向に激しく振動する現象です。 激しい場合、気体が圧縮機出口から入口に向かって逆流します。この現象は、流量を絞ったとき、直接的な加振力を作用しなくともひとりでに流量や圧力が周期的(1例 毎秒数サイクル)に大きく変動する現象です。
原因は次のように説明されます。管路に設けられた弁などを絞って管路の抵抗を増やしますと、流量が減って圧縮機の翼に流れが沿わなくなり、失速を起こします。
この場合、出口の圧力が急に下がるような性能を持つ圧縮機では、今まで流れていた出口の配管の方の圧力が高くなるため、圧力を等しくするように流れが減速されます。そのため流量は更に減り、作動点が所定の運転点より離れて行くようになり、系が不安定になります。流量が減ってくると、出口の配管の抵抗が減りますので、圧縮機の方が流量を供給できるようになり、元に戻ることになり、このサイクルが繰り返されます。
サージングは、断続的な異常音を発生したり、激しくなると、圧縮機を含む系全体が振動して運転ができなくなり、圧縮機や配管系が破損する場合もあります。この対策として、サージングを起こさない流量域で運転することが原則になっています。また圧縮機の設計段階から流れの失速を出来るだけ遅らす対策などが講じられています。
原因は次のように説明されます。管路に設けられた弁などを絞って管路の抵抗を増やしますと、流量が減って圧縮機の翼に流れが沿わなくなり、失速を起こします。
この場合、出口の圧力が急に下がるような性能を持つ圧縮機では、今まで流れていた出口の配管の方の圧力が高くなるため、圧力を等しくするように流れが減速されます。そのため流量は更に減り、作動点が所定の運転点より離れて行くようになり、系が不安定になります。流量が減ってくると、出口の配管の抵抗が減りますので、圧縮機の方が流量を供給できるようになり、元に戻ることになり、このサイクルが繰り返されます。
サージングは、断続的な異常音を発生したり、激しくなると、圧縮機を含む系全体が振動して運転ができなくなり、圧縮機や配管系が破損する場合もあります。この対策として、サージングを起こさない流量域で運転することが原則になっています。また圧縮機の設計段階から流れの失速を出来るだけ遅らす対策などが講じられています。
圧縮機の用途
- 換気(建物やトンネルの換気など)
- 気体の液化(空気、アンモニア、天然ガスなど);アンモニアやブタンは常温でガスを圧縮すれば液化します。
- 圧送用(都市ガス、天然ガスパイプラインなど、)
- 反応のための原料の昇圧(アンモニア、エチレン、メタノール、尿素などのプラント)
- 高圧の燃焼ガスを生成するための空気圧の上昇(ガスタービン、ジェットエンジン);燃焼させて膨張させます。
- 家庭用(ドライヤー、扇風機、加湿器のファン、掃除機など)
- 燃焼用空気の供給(ボイラ、製鉄用コークスの製造、エンジンの過給機など)
- 空気圧の利用(ホバークラフト、制御機器など)
- 機器の冷却(クーリングタワー、自動車用冷却ファン、パソコンなど、);風で冷やす。
- 風洞用(橋、車、航空機などの試験);風をつくる。
- 石油増産用(油田は時間と共に自噴できなくなるので、石油層に高圧のガスを注入する)
- 空気エネルギーの利用(ドライバー、ドリルなどの工具、さく岩機など )
- 真空用(真空ポンプ、掃除機など)
- 熱の輸送(ヒートポンプ、冷凍機):冷媒の蒸発凝縮のプロセスで熱を運びます。