流体の持つエネルギーから、回転する羽根を介して動力を取り出す原動機を水車といいます。地球の温暖化の原因となる炭酸ガスの排出がほとんどなく、再生可能なエネルギーである水力エネルギーが注目されています。
古い水車では、主として水の位置エネルギーを使って、水に働く重力によって水車を回転させてきました(図1)。近代の水車では位置エネルギーを速度エネルギーに変えて、高速の水を羽根にあてて羽根車を回転させています(図2)。この場合、古い水車では水は回転する羽根に入ると、羽根とほぼ同じ速度で回転しますので、羽根に対して相対的に静止して水車を直接回しましたが、近代水車では羽根の間を通り抜け、羽根に対して相対的に動く流れになっています。
この流れは、羽根の腹側と背側の間に圧力の差をつくりだし、航空機の翼のような揚力を生みだしてランナ(羽根車)を回転させます。近代水車のランナは、大きいもので外径は約10m、重さは数百トンにも達するものが作られています。
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